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おしながき

かぼちゃを冬至に食べるワケは? 行事食に込められた先人の知恵

ニュース番組の天気予報などで、「冬至(とうじ)」という言葉を耳にしたことがあると思います。「冬至」と言えば、かぼちゃを食べるという風習があります。でも、どうして冬至に、夏野菜のかぼちゃを食べるんだろう?と疑問に思ったことはありませんか? 答えの前に、まずは冬至についてご紹介します。

冬至は、「始まり」の日

冬至とは、一年中で昼がいちばん短く、夜はいちばん長くなる日のこと。現在の暦では、12月22日ごろにあたります。この日を境に、太陽が出ている時間が少しずつ長くなっていき、夏至、つまり、昼がいちばん長く、夜がいちばん短い日に向かっていきます。そのため、すべての命はこの時季から動き始めるという考えから、昔は冬至の日を一年の始まりとする考え方もありました。

また、一年でもっとも昼の時間が短いことから、冬至は、運気が下がり、身体も弱ると考えられていました。それを乗り越えるために、幸運を呼びこみ無病息災を願う風習が生まれたと言われています。冬至は「一陽来復(いちようらいふく)」とも呼ばれるように、悪い運が終わり幸運に向かう始まりの日でもあると考えられていたのです。

栄養のある食材からパワーを分けてもらう

そのようなわけで、冬至には、幸運を呼び込むために、かぼちゃ(別名:なんきん)をはじめ、にんじん、れんこん、かんてんなど、「ん=運」が重なる食材を食べるようになったそうです。でも、「ん」がつく食材の中でも、どうしてかぼちゃなのでしょう?その理由は栄養の面にも隠されています。 かぼちゃは本来は夏が旬ですが、夏に採ったものを貯蔵しておくことで自然と甘味が増すそうです。さらに、体を温めてくれるβカロチンや風邪をひきにくくしてくれるビタミンCがたっぷりなので、野菜不足になりがちな冬にもってこいの食材というわけです。冬至には先人たちの食の知恵が凝縮されているんですね。

かぼちゃと小豆の「いとこ煮」がオススメ!

健康への願いを込めて食べる冬至のかぼちゃ。料理としてまず浮かぶのは「かぼちゃの煮つけ」でしょうか? ほくほく甘くて、おいしいですよね。

このほか、かぼちゃと小豆(あずき)を一緒に炊いた「かぼちゃのいとこ煮」も、昔から冬至によく食べられてきた料理の一つ。赤い色で邪気や厄を払う力があるとされている小豆と組み合わせることで、かぼちゃで運気を上げ、小豆で厄災を払う。まさに冬至にはピッタリの最高の組み合わせです。

冬至の時期は寒くなってきて、保育園や幼稚園、学校などでインフルエンザなどが流行り出す頃。冬至の日以外にも、栄養価の高いお野菜を食事に積極的にとり入れていきたいですね。子ども達が寒い冬を元気いっぱいに乗り切れるよう、栄養たっぷりのかぼちゃメニューで応援しましょう!