今や世界中の人々に注目され、愛されている和食。人気の理由は、ただおいしいからではありません。「おいしいのにヘルシー」だから、なんです。日本人の多くも「和食はヘルシー」というイメージを持っていますよね。そう、和食の基本形を大切にすることは、私たちが健康的な食生活を送る近道となります。
三大栄養素と、その役割について
私たちに必要な三大栄養素は、炭水化物、脂質、たんぱく質。炭水化物は、体や脳を動かすための大切なエネルギー。朝食をきちんと摂ることが勧められているのも、これが理由です。特にお米は、脳にゆっくり栄養が供給され続けるため、シャキっと1日をスタートすることができます。
脂質は、摂りすぎには注意が必要ですが、細胞膜をつくる材料になったり、ホルモンの生成に役立ったりと人間の身体には必要不可欠な栄養素です。たんぱく質は、筋肉や皮ふなど、体を作る材料になり、脂質は骨や筋肉、内臓を守るクッションの役割などを果たします。
理想としては、食事全体の炭水化物が50~65パーセント、20~30パーセントが脂質、13~20パーセントがたんぱく質とされています。
なぜ和食はヘルシーなの?
まず、米国型の食事はフライドチキン、フレンチトースト、ハンバーガー、コーラなどの「パン+肉食中心」です。日本型の食事は、ご飯、刺身、煮物、納豆、味噌汁など「ご飯+魚食中心」です。この2つの食生活の違いを三大栄養素のバランスからみてみましょう。
パン食が中心の米国型では、脂質の摂取量だけが飛びぬけて多いのがわかります。一方、日本を見てみると、1980年代はまさに理想的な三角形を描いています。それは、「汁」「菜(おかず)」「香の物(漬物)」で構成される和食献立の基本形を残しながら肉や乳製品が適度に加わっているからです。また、昔よりご飯を控えるようになり、「菜(おかず)」が多くなったためです。これが、ご飯を主食にした和食の「型」が持つチカラ。
最近は、肉類や油脂類の摂取量が増え、欧米型に近づいていて、日本でも生活習慣病になる人が年々増えているようです。改めて、栄養バランスがとりやすい和食を見直し、献立にいかして、家族みんなで健康な毎日を過ごしていきたいですね。